2010年12月11日土曜日

街角での散髪代より安いビンラディンのポスター


 この漏えい記事はアメリカ政府関係者がパキスタンの路上で格安で売られるビンラディンポスターを見て、アメリカ政府が現在制作中のビンラディンお尋ね者ポスターが逆にこの傾向に拍車をかける結果に繋がってしまうのではないかという危機感を表している。


ウィキリークス漏えい文書原文翻訳
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ムスリムの間での大衆世論の傾向
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 タリバンを支持するアル・ラシード財団法人は反アメリカ、反西洋文化社会のニュースや書籍、雑誌、ポスター等をウルドゥー語、英語、やその他のアフガンの言語にて、無料もしくは取るに足らない価格で配布している。この行為は人々の間でのオサマ・ビンラディン支持の向上に大いに貢献している。

 例として最近、この法人団体はビンラディンのポスターを制作したが価格は15ルピーで30セントたらずで(街角での散髪代より少し高いぐらい)売っていて、我々アメリカ政府が道端に貼るために制作したビンラディンのお尋ね者ポスターよりはるかに勝っている。

 アメリカ政府がビンラディンを世間に対する最大の敵であると指名したことによって、都会田舎関わらず労働者や中層階級の間で彼を英雄視するようになったといった報告度々みられるが、我々の印象としては、多数のムスリム達に対して(少なくともパキスタンにおいては)必ずしもこの例に当てはまらないといえる。

 またアメリカ政府が現在準備中のビンラディンお尋ね者のポスターやマッチ箱は恐らく、逆にオサマ・ビンラディンの人気に拍車をかけて、民衆の間での英雄といったイメージに貢献する可能性がある。
 
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なにができるのだろうか?
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だが、アフガンとパキスタンにも多くの中庸派がおり、その人々は必ずしも反アメリカ、反西洋主義であるとは限らず、またビンラディンやイスラム浸透による世界革命などに対する熱意も低い。この合理的な意見や情報に耳を貸すことのできる中庸派こそが我々の狙いであるといえる。
 まず、はじめに重要なのはビンラディンと彼の幹部達を国際的な基準とイスラムでの基準においての完全な犯罪者であると描くことである。ビンラディンを個人としてあらわすだけではなく、アルカイダによる責任も強調せねばならない。

 我々がビンラディンに的を絞って情報をばらまくとき、特にアフガン住民達を対象とした場合、重要な3つのポイントが挙げられる。
・アメリカはアフガニスタン、やその人々にとっての敵ではない。
・アメリカは特に、どのアフガン政治派閥を敵としてはいない。
・アメリカはビンラディンをアフガニスタンから追放して、法のもとで彼を裁きたい。

7.今まで使われてきたビンラディン関連世論外交における方法は効果的なのは確かだ。:ニュースやビンラディンによるムスリムの被害者とのインタビュー、出版関連など。

8.また、考えられることとしては地元言語によるビンラディンや彼の幹部によって行われた犯罪、被害者達の話の書かれたパンフレットをモスクやイスラム学校、イスラム関連の研究学習施設や本屋などで配布することが挙げられる。
 また上記の情報をビンラディンを主要論題としないホームページなどに投稿したりすることで広く情報を行き渡すことができる。
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翻訳終了 
 
漏えい文書原文:http://www.guardian.co.uk/world/us-embassy-cables-documents/987 
 

  
 911同時多発テロの主犯でテロリスト組織アルカイダの代表でもあるオサマ・ビンラディンの人気はまだ留まるところを知らないようだ。どうやら、ビンラディンは西洋社会で一部の若者たちが共産主義革命家のチェ・ゲバラを崇拝するようにムスリムの間で反抗的なポップカルチャーステータスを得たようだ。
 恐らく、何十万枚ともいえるビンラディンのポスターが既に印刷されて、ムスリム社会の若者達の部屋の壁を飾っていることだろう。

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