2011年2月4日金曜日

東京公電2006年:アメリカによる日本政府への著作権についての圧力

 ヨーロッパの国々にアメリカが著作権法についての外交的圧力をかけている事は過去に公開された公電などによって明らかになったが、今回の公電では日本政府がアメリカ政府の要求に随従している様子をぶざまにも描いている。

灰色は要約、それ以外は原文翻訳
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反模倣品、違法コピーに関する合意

 内閣官房知的財産戦略推進事務局長の荒井寿光によると日本国内ではこのような合意について与野党国会議員の強い支持があり、保岡興治(自民党)、甘利明(自民党)、代理士である菅直人(民主党)は著作権法の強い支持者であるという。
 
 荒井氏は総理大臣有力候補である安倍氏、福田氏ともに著作権法を保護、推進することに非常に熱心であると言い、小泉総理退任後もこの政策に関しての変化はないと保証した。
 
 荒井氏は共同声明の文として「アメリカと日本両国は著作権法の執行について協力して取り組んでおり、アメリカと日本は各産業における創造性は強力で効果的な著作権法制度によって保護され、報酬などを保障されるべきであると考える。」という提案をした。
 
 
原文:http://213.251.145.96/cable/2006/07/06TOKYO4025.html


 日本政府と日本各産業は模倣品・海賊版拡散防止条約について強い支持を表明しているが、アメリカ側によって提案された著作権案のすべての主要要素に沿って日本の法律を変えることについては楽観視できないとした。もし、そのような修正が行われたとしても日本政府代表によると官僚内で同意に達するには長い時間がかかるとの事。
  
模倣品・海賊版拡散防止条約に対する政界での強力なサポート   
 
 荒井氏によると日本政府は法などを変えるのは難しく、もしその変更を日本の官僚主義の中で実行するとなると大変な時間と労力が掛かるとのこと。

 量刑ガイドラインについて法務省でこれは日本憲法の本意に反すると考えていて反対をしており、それゆえにそれらの決定は個々の裁判官達に任せられる。
 
 
 外務省 経済局国際貿易課知的財産室長、相馬弘尚氏によると先週行われた8つの省庁を含んだ省庁間での会議では、日本の法律に変更を加えるという選択肢は確かに残されたままで、この集りではこの可能性を除外することはなかったとのこと。

 
原文:http://213.251.145.96/cable/2006/10/06TOKYO5805.html
 
 
模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)に関する文書の翻訳あり(おすすめ)
http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/cat39552431/index.html

国境なき医師団:私たちの薬を奪わないで!途上国における医療に対してのACTAによる影響
http://www.msf.or.jp/news/2010/10/4980.php

2 件のコメント:

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  2. (前の投稿、削除してすみません)やっと今日このブログを見つけました。日本の新聞やテレビのメディアではウィキリークスのことがほとんど出てこない、話題にならない。おかしいぞ、これでいいのか、と思っていました。漏洩文書公開の可否よりも、もう出てしまった文書に何が書かれているのかは一般市民が知っておくべきことです。少なくとも、有識者たちは。それをやるのがジャーナリストの役割というもの、、、しかし、日本のマスメディアはやりませんね。オランダでは、毎晩、プライムタイムのニュースでウィキリークスからの発掘情報が報じられています。日本のマスメディアにはそういう事をやる人がいない。できないのか、やりたくないのか、、、、、。無償で原文を読み要点を伝えるという貴重な作業に取り組んでおられることを知り、ほんとうに頭が下がります。誰かがやらねばならない作業です。本当は、資金を持っている組織が、日本の国民のためにやるべき事です。きちんとこのブログのように原文へのリンクをつけて。ウィキリークスという名前だけで便乗する出版物でなく、中身そのものを伝えるという、しんどい作業は、多分、売れる見込みがなければだれも手をつけない???まあ、官僚主導の日本では期待してもおそらく無理でしょうが、、、でもそういう日本が、世界の常識からますます取り残されていっている、ウィキリークスへの反応はその典型だと思います。コメントの数からしてまだあまり関心が高くないようですが、かならず注目される日が来ると思います。どうぞ頑張って続けてください。希少なご努力だと思います。ここまで整理しておいていただけると、膨大な資料の迷路に入り込まずにすむのでありがたいです。時々読ませていただきます。

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